クロノス総合法律事務所 神奈川県弁護士会所属

交通事故 賠償・補償の豆知識労働災害(労災)の障害等級に納得がいかない場合どうすればいい?

公開日:
2017.07.24
更新日:
2026.06.17
交通事故 労災事故

労働災害(労災)の障害等級に納得がいかない場合どうすればいい?

交通事故で後遺障害に納得がいかない場合には,自賠責保険会社に対して後遺障害の異議申立てをすることになります。例えば,高次脳機能障害で7級を想定していたところ,9級しか認定されなかった場合には,自賠責保険会社に対して,高次脳機能障害9級が認定されるべきであるという内容の異議申立てをすることになります。

では,労働災害(労災)の障害等級に納得がいかない場合にはどうすればいいのでしょうか?

労災の障害等級は,障害(補償)給付の決定という労働基準監督署が行う行政処分をする中で決められます。そうすると,労災の障害等級に納得がいかない場合は,形式的には障害(補償)給付の決定に対して不服があるという内容で争うことになります。

具体的には以下のような主張をして争うことになります。

「●●労働基準監督署長が平成●年●月付で行った障害等級●級●号と認定した障害給付の支給(不支給)決定処分を取り消す旨の決定を求める」

労災の障害等級に関する不服申立ての方法

通常,行政処分に対する不服申立ては行政不服審査法という法律に基づいて行うことになります。ただし,労災の場合は,行政不服審査法の特別法である「労働保険審査官及び労働保険審査会法」という法律に基づいて行うことになります。

審査請求

労災の障害等級に関する不服申立ては手続きの順番が決まっています。まずは,決定処分を行った労働基準署長の所在地である各都道府県の労働局におかれた労働者災害補償保険審査官に対して,審査請求という手続きを取ることになります。

この審査請求で注意すべき点は,不服申立期間が決まっているという点です。

平成28年に法改正があり,平成28年4月1日以降に処分決定の通知を受けた場合には,処分を知った日の翌日から3ヶ月以内に審査請求をしなければなりません。

平成28年3月31日に以前に処分決定の通知を受けた場合にはもっと期間が短く,処分を知った日の翌日から60日以内に審査請求をしなければなりません。

ただし,審査請求の段階では,審査請求書だけ提出していればよく,具体的な主張や証拠は後から審査官に指定された期間内に提出すれば大丈夫です。

とにかく,審査請求は期間内に審査請求書を提出することが何よりも重要です。

再審査請求

次に障害等級に関する不服申立ての方法として再審査請求という手続きがあります。

再審査請求は,審査官に対する審査請求が棄却になった場合に行うことになりますが,不服申立てを行う対象は,審査官の棄却の決定ではなく,審査請求の時と同じ労基署長の処分決定となります。

再審査請求は労働審査会に対して書面で行うことになりますが,結論が出るまでが非常に長いので,障害認定されなかった場合や年金が支給されるようになる7級を目指す場合とかでなければ,再審査請求まですることは少ないように思います。

原処分の取消訴訟

審査請求をして棄却決定が下されたら,労基署長の処分決定に対する取消訴訟を起こすことができます。取消訴訟までするのは,障害認定がされなかった場合が多く,等級に不服があるだけの場合は,取消訴訟まですること少ないように思います。

弁護士 竹若暢彦

弁護士 竹若暢彦

クロノス総合法律事務所の代表弁護士の竹若暢彦です。当事務所は、交通事故の被害者側専門の法律事務所です。多数の交通事故の被害者側の解決実績がありますので、交通事故の被害にお悩みの方は一度ご相談ください。

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