腕や足の骨折後に疼痛の神経症状が残った場合に認定される後遺障害
交通事故で腕や足を骨折をした場合、通常は、固定をすると骨折部が骨癒合して回復に至り症状固定となります。骨折して最終的に症状固定に至っても疼痛が残っている場合には、神経症状の後遺障害が認定される場合があります。腕や足の骨折後に神経症状が残ったときに認定される後遺障害は、むちうちと同じ「局部の神経系統の障害」が認定されます。
| 後遺障害等級 | 障害の程度 |
|---|---|
| 後遺障害12級 | 局部にがん固な神経症状を残すもの |
| 後遺障害14級 | 局部に神経症状を残すもの |
12級と14級の違いは,「がん固な神経症状」かどうかにあります。昨日の「むち打ち症で後遺障害の異議申立てをする際の注意点」でも説明をしましたが、「がん固な神経症状」とは「症状の原因を他覚的に証明できる」場合のことをいい、「症状の原因を他覚的に証明できる」場合とは,基本的には,レントゲン,CT,MRIなどの画像によって症状の原因を確認できることを意味します。
そうすると、骨折は、むちうちと違ってレントゲンで確認ができるのだから、常に、12級の後遺障害が認定されるようにも思えます。
神経症状12級の後遺障害の認定には骨折後の変形癒合や癒合不全などが必要
ここで、あらためて後遺障害が何に対して認定されるのかを考えてみると、後遺障害は怪我に対して認定されるのではなく、怪我をして残った症状に対して認定されるものです。そうすると、骨折はあくまで怪我であって、骨折が完全に治ってしまえば、症状が残らないということもあるので、骨折をしただけでは後遺障害が認定されないということもあります。
そのため、レントゲンで骨折が確認しできたとしても、それだけでは12級の後遺障害は認定されないということになります。
では、どのような他覚的所見が認められれば、骨折後の疼痛の症状に対して12級の後遺障害が認定されるのでしょうか。
通常、骨折部の骨癒合が良好であれば、疼痛などの症状は残らないことの多いのですが、骨癒合が良好でない場合に、骨折後に疼痛の症状が残ります。骨癒合が良好でない場合というのは、骨折部に変形癒合や癒合不全などが生じた状態をいいます。
変形癒合とは骨折部が正常でない位置関係で癒合した状態をいいます。
また、癒合不全とは骨折が通常の癒合に至る期間を経過しても癒合しない状態をいいます。癒合不全の状態があまりにも酷いと神経症状の後遺障害よりも重い偽関節の後遺障害が認定されることもあります。
変形癒合もしくは癒合不全は、骨折部に疼痛を生じさせる原因となりますし、いずれもレントゲンで確認することができますので、症状の原因となる他覚的所見が認められ12級の後遺障害が認定されるということになります。
骨癒合が良好でも神経症状14級の後遺障害が認定されることがある
このように、骨折後の疼痛の症状に12級の後遺障害が認定されるためには、変形癒合や癒合不全などが骨折後の骨癒合が良好でない状態が必要となるのですが、骨癒合が良好であれば後遺障害が認められないかというとそうではありません。
骨癒合が良好でも事故後から疼痛の症状があり、症状固定時まで継続していれば、神経症状14級の後遺障害が認定される可能性があります。神経症状14級の後遺障害が認定されるためには、むちうちの場合と同じように症状が続いていて、継続して治療を受けているかという点が重要となります。