クロノス総合法律事務所 神奈川県弁護士会所属

交通事故 賠償・補償の豆知識交通事故に強い弁護士が神経症状12級の後遺障害について解説!

むち打ち症で12級の後遺障害は認定されるか?

前回は,交通事故に遭ってむち打ち症などの神経症状しかない場合でも14級の後遺障害が認定されるので整形外科への通院を定期的にしましょうという話をしました。

今回は,神経症状で12級の後遺障害が認定されるケースについて話をしたいと思います。

逸失利益の労働能力喪失期間ので,むち打ち症の場合,12級で10年,14級で5年という話をよく聞きます。

そうすると,むち打ち症だけでも12級の後遺障害が認定されるケースがあるように思います。

12級の後遺障害が認定されるには症状の原因を裏付ける他覚的所見が必要です。

しかし,通常,医師がむち打ち症と言われるような頚椎捻挫や外傷性頚部症候群と診断するのは他覚的所見がない場合です(ちなみに,他覚的所見とは画像や検査で異常が確認できることをいいます)。

そうすると,他覚的所見がない場合に診断される頚椎捻挫や外傷性頚部症候群などのむち打ち症で,他覚的所見が必要な12級の後遺障害が認定されることはないのではないかという疑問が生じます。

これまで何件もの後遺障害の請求をしてきましたが,頚椎捻挫や外傷性頚部症候群としか診断されていないケースで,12級の後遺障害が認定されることはないというのが実感です。

神経症状しかないときに12級の後遺障害が認定されるケース

では,痛みやしびれなどの神経症状しかないときに12級の後遺障害が認定されるのはどのような場合なのでしょうか。

代表的なのは骨折後に癒合不全が生じ神経症状が残ってしまったというケースです。

この場合,画像で骨折後の癒合が良好でないことを確認できるため,症状の原因を客観的に確認することができます。つまり,他覚的所見があるということになります。

次に神経症状12級が認定されるケースが多いと感じるのが、観血的整復固定術により骨折部をプレート等の固定材で固定して痛みやしびれの症状が残っているケースです。

このケースで難しいのが固定材を除去する場合です。

固定材を除去するのは、骨折部の癒合が良好な場合なので、固定材を除去すると後遺障害が認定されない可能性が高くなってしまいます。

まあ、後遺障害が認定されないということは後遺症が残っていないということなので悪いことではないのですが、賠償金は数百万単位で違ってきてしまうので、賠償という面では非常に悩ましいということになります。

以前に固定材を除去する前に症状固定にして後遺障害の認定を受けて、賠償を受けてから自費で固定材を除去する手術を受けたという事案を担当したことがあります。

結果的に後遺障害を認定されたからよかったものの、後遺障害が認定されなければ、賠償金は少ない、固定材除去の手術は自費になってしまうというリスクがあるので、お勧めできる解決方針ではありません。

そのため、基本的には医師と話をして固定材を除去するかを決めてくださいとアドバイスをしています。

また,外傷性の椎間板ヘルニアによって神経症状が生じたというケースでも12級の後遺障害が認定されることがあります。

ただし,椎間板ヘルニアと診断されていれば必ず12級の後遺障害が認定されるというわけではありません。

椎間板ヘルニアは加齢によって生じる経年性の椎間板ヘルニアもあり,経年性の椎間板ヘルニアでは後遺障害の認定はされないからです。

後遺障害は,交通事故に遭って外傷を負い,それによって症状が残った場合に認定されるものですので,これはやむを得ません。

後遺障害診断書に椎間板ヘルニアと記載されることは多いのですが,自賠責で外傷性の椎間板ヘルニアと判断されて12級の後遺障害が認定されるケースはあまり多くないように思います。

神経症状12級の後遺障害の認定のためには後遺障害診断書をしっかりと作成してもらおう

神経症状12級の後遺障害が認定されるためには、痛みやしびれの原因を確認できる他覚的所見が必要ですが、自覚症状を後遺障害診断書にしっかりと記載してもらうことも重要です。

これは、どの後遺障害にも共通して言えることですが、自覚症状がしっかりと記載されていなかったために後遺障害が認定されなかったということがよくあります。

特に神経症状の場合は、痛みやしびれが出現する場面を限定して記載してしまい、後遺障害が認定されないということがあります。

後遺障害は、交通事故による怪我の症状が残存している状態ですので、普段は痛みはないけど、例えば、寒いときだけ痛みが出現すると後遺障害診断書に記載してしまうと、神経症状の後遺障害が認定されず非該当になってしまう可能性が高くなります。

神経症状の後遺障害が認定されるためには、神経症状が出現する場面を限定せずに、「骨折部に痛み、しびれ」と自覚症状の欄に記載した方がいいということになります。

神経症状12級の後遺障害の賠償金(示談金)の相場

神経症状12級の後遺障害は、後遺障害の慰謝料だけで290万円(弁護士基準)になります。

逸失利益は、労働能力喪失期間を10年間に制限されてしまうため、ほかの後遺障害に比べてそれほど高額にはなりませんが、それでも一般的には400万円から1000万円程度の金額になります(収入によって金額が変わってきます。)

これに、入通院の慰謝料が90万円から120万円になりますので、慰謝料と逸失利益だけで500万円から1200万円の賠償金(示談金)になります。

被害者の過失があるかなどの事案にもよりますが、保険会社から提示された賠償金(示談金)がここで説明した金額を下回るようであれば、示談せずに弁護士にご相談することをお勧めします(クロノス総合法律事務所は電話、メール、LINEで賠償金(示談金)の適正金額について無料でアドバイスしています)。

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弁護士 竹若暢彦

弁護士 竹若暢彦

クロノス総合法律事務所の代表弁護士の竹若暢彦です。当事務所は、交通事故の被害者側専門の法律事務所です。多数の交通事故の被害者側の解決実績がありますので、交通事故の被害にお悩みの方は一度ご相談ください。

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