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横浜の交通事故に強い弁護士がCRPS(RSD)の後遺障害の認定、損害賠償を徹底解説!

更新日:2023年10月10日

CRPS(RSD)って何?

CRPS(Complex regional pain syndrome)とは、軽微な外傷をきっかけとして疼痛、アロディニア(触覚刺激や熱刺激により誘発される痛み)、痛覚過敏が遷延する症候群で複合性局所疼痛症候群といわれるものです。

簡単にいうと、軽い怪我に不釣り合いな痛みが長期間続いてしまうという症状が特徴の疾患です。

疼痛の症状だけでなく、疼痛部分の浮腫、皮膚温の温度差、発汗異常、関節拘縮など様々な症状が出現することもあります。そのため、同じCRPSという診断でも人によって出現する症状は違うことが多くあるようです。

現在でもCRPSが発症する原因は明らかになっておらず、治療法も確立されていません。

RSD(Reflex Sympathetic Dystrophy)とは、国際疼痛学会で外傷後に疼痛等が遷延する症状をCRPSという名称で統一する前に、外傷後に疼痛等が遷延する症状を表す傷病名として使われていた名称のうちの1つです。

現在、医学の世界では、RSDという名称は使われておらず、自賠責や労災などの賠償実務で使われている名称になります。

交通事故の賠償実務においては、現在でもRSDという名称は使われていますので、以下ではCRPS(RSD)と表記します。

 CRPS(RSD)の後遺障害認定は専門知識が必要

CRPS(RSD)は、発生機序が様々で、軽度な事故でも重篤な痛みが生じるという疾患であるため、CRPS(RSD)と診断されずに様々な診断名が付くことがあります。

私が担当した件では、変形性肩関節症(いわゆる40肩、50肩)という診断名が付いたことがありました。

ただ、CRPS(RSD)の場合このような診断名がついてもやむを得ないところがあります。

CRPS(RSD)は複合性局所疼痛症候群という名称ですが、「症候群」とついていることからお分かりいただけるかもしれませんが、明確に何が原因でCRPS(RSD)が発症するかは明確になっていません。

そのため、CRPS(RSD)の治療をするかを判断するための判定指標があり、医師もその判断指標に基づいてCRPS(RSD)と診断するようなので、事故直後に痛みを訴えていてもCRPS(RSD)と診断されないことも多くあるのです。

しかも、自賠責ではCRPS(RSD)の後遺障害を認定する条件が、CRPS(RSD)の治療の判断指標と一致していないため、CRPS(RSD)と診断されていても、CRPS(RSD)の後遺障害が認定されないこともあります。

そのため、CRPS(RSD)の後遺障害認定は専門的な知識が必要となります。

CRPS(RSD)の後遺障害認定の条件

自賠責や労災では、以下の①から③のいずれの症状も健側と比較して明らかに認められる場合に CRPS(RSD)の後遺障害を認定しています。

①関節拘縮

②骨の萎縮

③皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)

特にCRPS(RSD)は、②骨萎縮が認められることが重要ですが、骨萎縮が認められるためにはどのような検査が必要で、どの程度の数値がでればいいのかというのは専門知識がなければ判断することはできません。CRPS(RSD)の後遺障害認定には専門知識が必要です。

CRPS(RSD)の後遺障害等級

また、CRPS(RSD)は、自賠責や労災では以下の基準によって後遺障害等級を認定しています。

後遺障害等級労働能力の程度
後遺障害7級軽易な労務以外の労働に常に差し支える程度の疼痛があるもの
後遺障害9級通常の労務に服することはできるが,疼痛により時には労働に従事することができなくなるため,就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの
後遺障害12級通常の労務に服することはできるが,時には労働に差し支える程度の疼痛が起こるもの

CRPS(RSD)は裁判でも問題になることが多い後遺障害

CRPS(RSD)は、先ほども説明したように発症の原因が明らかになっていませんし、症状も人によって様々です。

それにもかかわらず、自賠責や労災では、①関節拘縮、②骨の萎縮、③皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)のすべてが認められなければCRPS(RSD)を認定していません。

そのため、CRPS(RSD)は裁判でも問題になることが多い後遺障害の1つです。

特に問題となるのが②骨の萎縮です。CRPS(RSD)が問題になった裁判例でも骨の萎縮がないとしてCRPS(RSD)の後遺障害を否定した裁判例があります。

ところが、①から③の条件は、あくまでもCRPS(RSD)に罹患した場合に一般的に認められる症状であって、CRPS(RSD)になれば必ずすべての症状が認められるというものではありません。

一方で、医師がCRPS(RSD)の治療や研究をする際に用いる判定指標は以下の表のとおりです。

臨床用判定指標研究用判定指標
A病期のいずれかの時期に、以下の自覚症状のうち2項目以上該当すること、ただし、それぞれの項目内のいずれかの症状を満たせばよい。病期のいずれかの時期に、以下の自覚症状のうち3項目以上該当すること。ただし、それぞれの項目内のいずれかの症状を満たせばよい。
1.皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化1.皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
2.関節可動域制限2.関節可動域制限
3.持続性ないしは不釣合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み(患者が自発的に述べる)、知覚過敏3.持続性ないしは不釣合いな痛み、しびれたような針で刺すような痛み(患者が自発的に述べる)、知覚過敏
4.発汗の亢進ないし低下4.発汗の亢進ないし低下
5.浮腫5.浮腫
B診察時において、以下の他覚所見の項目を2項目以上該当すること。診察時において、以下の他覚所見の項目を3項目以上該当すること。
1.皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化1.皮膚・爪・毛のうちいずれかに萎縮性変化
2.関節可動域制限2.関節可動域制限
3.アロディニア(触刺激ないしは熱刺激による)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)3.アロディニア(触刺激ないしは熱刺激による)ないしは痛覚過敏(ピンプリック)
4.発汗の亢進ないし低下4.発汗の亢進ないし低下
5.浮腫5.浮腫

このように医師がCRPS(RSD)の研究や治療に用いる判定指標でも②骨の萎縮という条件は入っていません。

もちろん、治療や研究に用いる判定指標と後遺障害の認定基準が一致していなければならないということはないのですが、①から③のすべての条件が認められなければCRPS(RSD)の後遺障害が認められないというのは、少々条件として厳しすぎるのではないかという感じがします。

ただし、裏を返せば、①から③の条件をすべて満たせばCRPS(RSD)の後遺障害を認定される可能性が高いということになります。

そのためには、①から③の条件を満たすことを検査結果によって適切に示す必要があります。

診断名にCRPS(RSD)とあるからと言って、不十分な検査結果しか自賠責に提出しなければ、CRPS(RSD)に該当しないという判断をされてしまうので、CRPS(RSD)の後遺障害については、CRPS(RSD)に関する詳しい知識を持った弁護士にご相談されることをお勧めします。

CRPS(RSD)の賠償金(示談金)の相場を知ろう!

CRPS(RSD)の後遺障害が認定された場合、後遺障害等級が7級であれば、後遺障害の慰謝料だけで1000万円(弁護士基準)になります。

逸失利益(収入によって変わってきます)や入通院の慰謝料も含めると総額で3000万円から5000万円程度の賠償金(示談金)になります。

後遺障害等級が9級であれば、後遺障害慰謝料だけで690万円(弁護士基準)になります。

逸失利益や入通院の慰謝料も含めると総額で2000万円から2500万円程度の賠償金(示談金)になります。

後遺障害等級が12級であれば、後遺障害慰謝料だけで290万円(弁護士基準)になります。

逸失利益や入通院の慰謝料も含めると総額で1500万円から2000万円程度の賠償金(示談金)になります。

被害者の過失があるかなどの事案にもよりますが、保険会社から提示された賠償金(示談金)がここで説明した金額を下回るようであれば、示談せずに弁護士にご相談することをお勧めします。

CRPS(RSD)は後遺障害の認定前から弁護士に相談することが重要!

先ほど解説したようにCRPS(RSD)の後遺障害が認定されるためには専門知識が必要です。

不十分な検査しかしなかったためにCRPS(RSD)と診断されても後遺障害が認定されなかったり、そもそもCRPS(RSD)であると気づかれない場合も多くあります。

自賠責でCRPS(RSD)の後遺障害が認定されなかった場合、裁判でCRPS(RSD)の後遺障害を認定させることは非常に大変です。

そうすると、軽い怪我なのに異常に強い痛みを感じるなどCRPS(RSD)が疑われる症状がある場合には、できる限り早く、少なくとも自賠責で後遺障害の認定を受ける前から弁護士に相談することが重要です。

弁護士に依頼して自賠責でCRPS(RSD)の後遺障害の認定を受ければ、高額の賠償金(示談金)を獲得することができます。

クロノス総合法律事務所のCRPS(RSD)の解決実績!

CRPS(RSD)12級 約2000万円獲得(大幅増額)

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