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むちうちで入通院した場合の慰謝料っていくらになるの?|【公式】横浜の交通事故に強い弁護士《クロノス総合法律事務所》
目次
基本的な入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算方法
入通院慰謝料とは,交通事故によって傷害を負い治療のために入通院をしたことに対する慰謝料をいいます。
入通院慰謝料という言い方ではなく,傷害慰謝料という言い方をすることもあります。基本的には,いずれも同じ意味で使っています。
地域によって多少異なるのですが,全国的の多くの地域では,入通院慰謝料(傷害慰謝料)は,入通院期間を基礎に赤い本の別表Ⅰを基準に計算をします。
通院期間とは事故日から症状固定日までの期間を言い,実通院日数(実治療日数)とは違います。
また,赤い本とは,日弁連交通事故相談センター東京支部が出している「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」という本のことを言います。
おそらく,表紙が赤いので赤い本と呼ばれているのだと思います。
ちなみに,赤い本は一般の書店では販売しておらず,一般の方は,東京の霞が関にある弁護士会館3階の日弁連交通相談センター東京支部の窓口で購入する,または,同センターのホームページにある申込書をファックスするかで申し込みをして購入するしかありません。
別表Ⅰは,縦軸が通院期間,横軸が入院期間となっており,それぞれの期間で重なり合う欄にある金額を基準に入通院慰謝料(傷害慰謝料)を計算するという使い方をします。
分かりにくいので具体例で説明をしたいと思います。
例えば,交通事故によって右足を骨折して事故日から症状固定日までに1ヶ月の入院と1年間の通院をしたというケースで説明すると,入院1ヶ月と通院1年(12ヶ月)が重なり合う欄には,183万円という金額が記載されていますので,このケースの入通院慰謝料(傷害慰謝料)は183万円ということになります。
むちうちは別表Ⅱを使用して入通院慰謝料(傷害慰謝料)を計算する
先ほどの赤い本の別表Ⅰというのは,レントゲンで骨折が確認できるような他覚的所見が認められる場合に使用します。
他覚的所見がない場合には,赤い本の別表Ⅱを使用して,入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算をすることになります。
何が違うかというと,単純に別表Ⅰの方が金額が高く,別表Ⅱの方が金額が低いという違いになります。別表Ⅰの方が25%くらい金額が高くなっています。
むちうちは他覚的所見がない場合に下される診断ですので,別表Ⅱを使用して入通院慰謝料(傷害慰謝料)を計算することになります。
むちうちの場合入院することはあまりないのですが,別表Ⅰと別表Ⅱの比較をわかりやすくするため,先ほどの例を使って別表Ⅱの入通院慰謝料(傷害慰謝料)を見てみると,入院1ヶ月と通院1年(12ヶ月)が重なり合う欄は,136万円という金額が記載されています。
そうすると,むちうちで1ヶ月入院して退院後1年通院した場合の入通院慰謝料(傷害慰謝料)は,136万円ということになります。
別表Ⅰとくらべると,47万円も低くなってしまいます。
「『入通院期間を基礎として』別表Ⅱを使用する」に変更になった
実は,平成28年版の赤い本から,むちうちの入通院慰謝料の計算基準が多少変更になりました。以前は以下のような基準になっていました。
むちうちの入通院慰謝料の計算基準(変更前)「むちうち症で他覚症状がない場合は別表Ⅱを使用する。この場合,慰謝料算定のための通院期間は,その期間を限度として実治療日数の3倍程度を目安とする」
このような説明になっていたため,むちうちの場合,単純に通院期間を見るのではなく,実治療日数×3を通院期間としていました。
例えば,先ほどの例で12ヶ月通院したけど,自通院日数は40日であった場合,以下の計算式ように4ヶ月を通院期間としていたということになります。
40日×3=120日 120日÷30日=4ヶ月
このように,むちうちの場合は,別表Ⅰよりも入通院慰謝料(傷害慰謝料)が低くなる別表Ⅱを使用し,さらに通院期間も実際よりも短くなってしまうので,2段階で入通院慰謝料(傷害慰謝料)が低く計算されるという基準になっていました。
しかし,平成28年の赤い本からは以下のように基準が改訂されました。
むちうちの入通院慰謝料の計算基準(変更後)「むちうち症で他覚的所見がない場合等は入通院期間を基礎として別表Ⅱを使用する。通院が長期にわたる場合は,症状,治療内容,通院頻度を踏まえて実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とする」
このように,むちうちの場合であっても,いきなり実通院日数(実治療日数)の3倍を通院期間とするのではなく,ほかの傷害と同じように,原則的には事故日から症状固定日までの通院期間を基準に別表Ⅱを使用して入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算をし,例外的に通院が長期間にわたる場合に,実通院日数×3を通院期間として入通院慰謝料(傷害慰謝料)を計算すると変更になりました。
先ほどの例でいうと,12ヶ月の通院が長期の通院ではないとした場合,通院期間は4ヶ月ではなく12ヶ月として入通院慰謝料(傷害慰謝料)を計算するということになります。
このように基準が変更されたのは,むちうちの裁判例を検討すると,実通院日数×3を通院期間として別表Ⅱで入通院慰謝料(傷害慰謝料)を計算した金額よりも,多くの裁判例で高額な入通院慰謝料(傷害慰謝料)を認定していたということが要因のようです。
おそらく,裁判所はむちうちでも事故日から症状固定日までの期間を通院期間として入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算をすることが多いのではないかと考えられます。
むちうちでも入通院慰謝料(傷害慰謝料)を安易に譲歩しないこと
このように,むちうちの入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算の基準は変更されましたので,保険会社が以前のように実通院日数×3を通院期間として入通院慰謝料(傷害慰謝料)を計算してきても安易に譲歩して示談してはいけません。
できる限り,事故日から症状固定日までの期間を通院期間として入通院慰謝料(傷害慰謝料)の計算するように交渉する必要があります。
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