- 被害者
- 30代女性
- 後遺障害
- 顔面部の神経症状12級
- 内容
- 顔面部の骨折による三叉神経損傷
- 解決方法
- 裁判(和解)
- 顔面部の神経症状の後遺障害で主婦の家事労働での逸失利益を獲得
- 事前提示200万円から約930万円に増額
解決実績の詳細
交通事故で顔面を強打して三叉神経を損傷し、顔面部の神経症状で後遺障害12級が認定されたということでご相談をいただいた事案です。
ご相談いただいた時点で、相手方から賠償案の提示がありました。
その賠償案では、顔面部の神経症状の後遺障害によって主婦の家事労働に労働能力の喪失は認められないとして逸失利益が0円の提示でした。
さらに、慰謝料も弁護士基準をかなり下回る金額しか提示されていませんでした。
また、加害者は、タクシー運転手で示談交渉は、保険会社ではなくタクシー会社が行っているという事案でした。
保険会社ではなく、タクシー会社が示談交渉の相手方だと一般的に保険会社よりも低い金額の賠償金しか提示しないことが多いです。
タクシー会社も自動車保険に入っているのですが、一般の方が入る自動車保険と違って、保険会社が示談代行サービスを行ない保険に入っているというケースがあります。
また、今回のケースとは違い、タクシー会社がタクシー共済に入っており、タクシー共済が示談代行を行うというケースもあります。
いずれにしろ、タクシーが絡む事故の場合、通常よりも低い金額の賠償金しか提示されないということが多いです。
タクシー会社が相手であったとしても、裁判を起こせば慰謝料は、弁護士基準で計算されますので、本件については裁判で解決する方針で依頼者の方とも話をしました。
問題は、顔面部の神経症状の後遺障害で家事労働の逸失利益が認められるかという点です。
顔面部の神経症状の後遺障害の原因となった三叉神経損傷です。
三叉神経とは、顔面部全体にいきわたる神経で、顔面部の熱い、冷たい、痛いなどの感覚を脳に伝えるという機能を持っています。
そのため、三叉神経を損傷した場合、後遺症の内容としては、痛みがあるとかではなく、むしろ感覚が鈍くなっているということが多いです。
依頼者の方の場合も、痛みはなく受傷部の感覚が鈍くなっているという状態でした。
受傷部が口の近くだったので口を動かしにくいという感じはありましたが、口を動かしにくいということと家事労働ができなくなったということをどのように結びつけるかが問題でした。
ただ、被害者の方の場合、主婦になる前は人前で話をするような仕事をしていました。
そこで、逸失利益は、仕事復帰した時に顔面部の神経症状の後遺障害によって支障が生じるとして、第1に主婦になる前の仕事との関係で逸失利益を請求することにしました。
それが認められなかった場合に、第2に主婦の逸失利益が認められるべきだという二段階の構成で逸失利益を請求することにしました。
裁判では、逸失利益以外にも症状固定日、休業損害も争われたので、治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料等のほとんどの損害について争われました。
特に症状固定日を争われると、医療記録から医師が診断した症状固定日に合理性があるということを被害者側で証明しなければなりません。
当事務所の場合、症状固定日が争われる事案も多く解決してきましたので、症状固定日が争われてもしっかりと医療記録に基づいて反論をして、医師の診断した症状固定日に合理性があることを立証することが可能です。
本件でも、医療記録に基づいて医師が診断した症状固定日まで治療の必要性があり、医師の診断に合理性があるということを証明して、後遺障害診断書に記載された症状固定日が裁判でも症状固定日と認定されました。
さて、問題の逸失利益ですが、主婦になる前の仕事は辞めてから5年以上が経過していたために、主婦になる前の仕事を前提に逸失利益が発生しているとは認められませんでした。
ただし、仕事復帰する可能性があること、家事労働でも顔面部の神経症状の後遺障害による支障が生じていることは認められ、主婦の基礎収入を前提に逸失利益が認められました。
争いのあった慰謝料も弁護士基準で認定され、その結果、和解で930万円の賠償金で解決することになりました。
逸失利益が認められにくい後遺障害でも具体的に生じている支障を証明することで、逸失利益が発生していると認定されます。
保険会社や加害者側から逸失利益が0円で賠償金が提示された場合には必ず弁護士に相談しましょう。
横浜の交通事故に強い弁護士がいるクロノス総合法律事務所では、逸失利益が認められにくい後遺障害の解決実績も多数あります。
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